「 人権週間に思う ~言葉の持つ力~ 」

 澄みわたる夜空に瞬く星がいっそう美しい季節になりました。この時期になると,私は東の空に輝くオリオン座を見上げ,雪待月の訪れを感じたり,今年を振り返ったり,来年に思いをはせたりします。みなさんも今年の1年間の成果や課題を確かめ,来年の新たなる目標を設定してほしいと思います。

 さて,今年の人権集会ですが,ゲストにシンガーソングライターの岩藤愛未さん(佐伯中出身・和気閑谷高校3年)をお迎えして,彼女の歌を聴き,その歌の歌詞に込められた思いから,「言葉の持つ力」について考えます。当日は,佐伯小学校の5・6年生と合同で開催します。学校や社会(地域)で気持ちよく生活するためには,コミュニケーション力は大切です。上手くコミュニケーションを取るための手段は「言葉」です。人は,『言葉によって,心を整えることができる』。言い換えれば,『言葉の力で不安を消すことができる』と考えます。自分自身を振り返ってみると,私は,中学生のときにソフトテニスを始め,「練習千日,勝負一瞬。練習は嘘をつかない。」という言葉に出会いました。この言葉に支えられ,日々の苦しい練習を頑張ることができ,教員になりソフトテニス部の顧問としても,生徒に伝えてきました。私の心に残る言葉です。

 良い言葉には,力が宿ると思います。みなさんにも支えになる言葉はありますか。まだ,出会ってない人は,人権集会がそのヒントになるかもしれません。当日は,保護者や地域の方も来場可能です。みんなで「言葉の持つ力」について考えましょう。ご家庭でも,言葉について考える機会をもっていただければありがたいです。

 最後に,増田明美さん(スポーツジャーナリスト)のエッセイの一部を紹介します。

 言葉は,ほんとうに強い力を持っていると思います。ただ,いい言葉にも悪い言

葉にも力は宿ります。現役の頃は負けず嫌いでしたし,他人に勝たないといけない,

勝負の世界に生きていましたから,「あなたには負けたくない」ときつい言葉を使っ

ていたこともありました。でも,そういう言葉を使っていると自分も嫌な人間になっ

てしまうんですよね,最近は人のことをどう思っていても,悪い言葉を発しないよう

にしています。発した言葉は言霊(ことだま)として,自分に返ってくると思うんです

 言葉の強さという点では,声にする言葉だけでなく,文字として残る言葉も同じで

す。今は,SNS等で言葉があっという間に拡散しますが,人を傷つける言葉は絶対

にダメ。言葉は人を励ますこともできるけれど,たった一言で人を傷つけることもあ

る。私自身,言葉によって傷つき,言葉によって立ち直ったという両方の経験がある

ので,なるべく人を幸せにしたり,励ましたりする言葉を発したいのです。

(中略)私を支えてくれた言葉は,次の2つです。

「失意泰然得意淡然」

意味: 物事がうまくいかないときは焦らず,落ち着いてチャンスを待ち,うまくい っているときは         おごらず,つつましい態度でいるべきだ。

「知・好・楽」

意味: 知っているだけの人は好きでやっている人にはかなわない。好きでやっている人も楽しん       でやっている人にはかなわない。

このエッセイからも何かを感じてくれたら幸いです。

                                         

~『働くこと』の喜びと大変さを実感~

 11月6日~9日の4日間、20名の小さな社会人見習いたちが、和気町内の各事業所で職場体験学習を行いました。普段と違う環境で、学校ではできない様々なことを経験し、「働くこと」の本質に迫る何かを感じたことと思います。ご協力いただきました職場の皆様、地域の皆様、ありがとうございました。

11月2日(金)、生徒会選挙、委員長選挙、学級役員選挙を経て、新生徒会がスタートしました。「毎日が楽しく、誇らしく、地域に愛される学校」目指す執行部を核に、各委員会の方針や計画も進化しています。

 

「感動200%~文化祭・中学生だっぴに思う~」

 10月6日(土),サエスタにおいて開催した文化祭,目を閉じれば頭の中に,全校合唱曲【Fight】のフレーズ「がんばれ♪がんばれ♪」が響いてきます。生徒一人一人が,誰かを応援しようと気持ちを込めた文化祭のフィナーレを飾るにふさわしい歌声でした。そのため,生徒たちだけでなく,その場にいた人々の心に響くすばらしいものになったと思います。また,生徒たちが,『Fight~届けよう!元気と笑顔を~』のスローガンのもと,自己愛・友愛・家族愛・地域愛という4つの愛を発揮したことも,充実感と達成感を感じさせ,記憶に残るものになったとも思います。朝早くからご来場いただき発表をご参観していただいたご家族の方々や地域の方々のお気持ちが,会場の雰囲気を温かく包み,生徒たちにとって大きな力となったと思っています。ほんとうにありがとうございました。これからも生徒の活動に応援をよろしくお願いします。

 さて,佐伯中学校は「地域とつながる活動」を進めています。このつながる活動は,生徒も地域も自己肯定感が高まる取組だと考えています。先日は,【中学生だっぴ】を開催しました。この会は,中学生・地域の方・高校生・大学生が「学校にいく意味は? 等」のテーマに沿って,自分の思いを自分の言葉で伝える『本気のコミュニケーション』を体験する活動です。参加者全員が,自分の人生にとって大切なものに気づかされたり,気づいたりするすばらしい場になりました。生徒の感想にも,「いろいろな価値観をもった人と思いを共有できて良かった。」「自分を見つめるよい機会になった。」「大人が本音を話す姿から学ぶべきものがあり,今を大切にしようと思った。」等,自己肯定感の高まりを感じさせる感想が多くありました。事実,事前事後のアンケートの『(自分の未来は自分で動けば変えられると思っている)の肯定意見は,事前56%→事後75%』『(自分にはよいところがある)の肯定意見は,事前70%→事後90%』からは会の成功を見ることができました。AIが人間に替わる未来に対して,人と人とが「触れあい」「語り合う」ことを大切にしてほしいと願っています。われわれ教職員は,生徒とともに,地域と学校をつなげる取組を展開していきます。そして,義務教育卒業時に自立している生徒であり,将来,地域を育てる佐伯っ子として,地域で活躍する生徒を育成していこうと思います。これからも,家族の方々,地域の方々のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いします。

 

Fight! ~届けよう、元気と笑顔~

10月6日(土)、佐伯中学校文化祭が学び館「サエスタ」を会場に開催されました。生徒たちは、幾度となく練習やクラスで話し合いを重ね、弁論、各学年の演劇、吹奏楽の演奏、全校合唱と熱のこもったステージを繰り広げました。その生徒の姿に観客席も感動と笑顔に包まれ、スローガン「Fight! ~届けよう、元気と笑顔~」にふさわしい文化祭となりました。生徒たちに惜しみない拍手を贈ってくださった保護者の皆様、地域の皆様、本当にありがとうございました。

1年生 『仮面』

2年生 『愛・LOVE・トライアングル~in 佐伯~』

3年生 『グッドバイ・マイ』

 吹奏楽同好会

 弁論大会

 

 校内合唱