「想像力を働かせる」
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今年度の佐伯中学校の重点の一つに「多様な人々との関わり、視野を広げる機会の創出」が、それを具現化するための教職員の行動目標の中に「コミュニケーション力の向上」という項目があります。10月11月は「咲笑希祭」をはじめ、校外に出てさまざまな人と触れ合う機会が多くありました。園児とのふれあい活動、園小中合同奉仕活動、オーストラリアとの遠隔交流授業、渋染一揆現地研修…。その中で生徒たちは、「どうやったら小学生や地域の方に楽しんでもらえるか」「目の前の園児は今どんな気持ちか、何に困っているか」「人間の尊厳を取り戻そうと一揆を決意し闘い抜いた人々はどんな思いだったか」と、他者の気持ちを想像し、自分(たち)がどうすれば良いかを考える場面が多々あったはずです。
この「想像力」(自分が経験していないことや未来のこと、目に見えないことなどを頭の中で思い描く力)は、これからの時代を生きるために不可欠な力とも言われています。想像力が豊かだと、相手の立場や気持ち、背景をくみ取ることができ、コミュニケーションが円滑になり対人関係がうまくいきます。また、発想力や危険・うまくいかない場面を想像する力があるので、学習や仕事において、解決策を生み出したりリスクを避けたりトラブルにうまく対応できたりします。
逆に想像力に欠けると、視野が狭くなりがちで、自分の思いだけで発言・行動していまい、相手を嫌な気持ちにさせたり自分勝手な人と受け取られたりすることがあります。また、ものごとの一面だけを見てよく考えずに判断してしまい、失敗したり損をしたりしてしまうかもしれません。想像力不足になる理由は、コミュニケーション不足や生まれ持った性質等いろいろありますが、要注意なのは「スマホやPCの使いすぎ」です。今は、疑問や知りたいことを自分で考えたり想像したりせず、全て検索で解決してしまう傾向があります。私自身もつい使ってしまうのですが、自分好みの情報に浸かり、便利さと引き換えに想像力を鍛える機会を失っているということは認識しておかなければと思っています。
では想像力を鍛えるにはどうしたらよいか…次のことを心がけてみてはどうでしょうか。
①相手目線で考えてみる。反対の立場で考えてみる。
②読書をする。
③仮説(自分なりの仮の答え)を立てる習慣をつける。
④多様な価値観と出会う。新しいことに挑戦する。普段話をしない人と交流する。
これらのことを意識し習慣化できるといいですね。ちなみにANA(全日空)では、気づかいを「相手のことを想像する習慣」「一歩先のことを想像する習慣」と定義し、実践しているそうです。佐伯中学校では12月に、一人暮らしの高齢者の方に年賀状を書く取組を予定しています。地域の方がどんな思いでどんな暮らしをしているのか、思いを馳せながら取り組みたいものです。そして今後も、想像力を働かせ、よりよい未来や自分を創り上げられるよう、教育活動を工夫していきたいと思います。