「思いを表現する」
役職上「検食」ということで、毎日皆さんより早く給食をいただき検食簿にコメントを書くのですが、「同じようなことばかりになっているなぁ」と自分の表現力の乏しさにがっかりすることがあります。そういえば学生の頃から作文や議論が苦手で、苦労してきました。
「自分の考えや気持ちを分かりやすく伝える力=表現力」、もっと言うと、伝える力だけでなく、「相手の考えや気持ちを聴く力」や「相手の立場や意図を理解して配慮する力」なども含めたコミュニケーション力は、人間関係を築く上でも他の人と協力して何かを成し遂げる際にも大切なものです。企業が学生に求める能力でも「コミュニケーション能力」が第1位で、続いて「主体性、意欲」「協調性」「チャレンジ精神」などが挙げられています。「すごい」「ヤバい」といった多様な意味をもつ言葉や絵文字・スタンプが浸透し、言葉を丁寧に紡いでやりとりをする機会が減っている今、コミュニケーション能力は放っておいても育つものではなくなってきています。
表現力に絞って言うと、学校の授業では、自分の考えをもつ時間や考えを伝え合う時間を設けるようにしており、生徒の皆さんも積極的に活動しています。先日行われた参観日でも、人権学習を通して感じたことや考えたことを自分の生き方と結びつけ、自分の言葉で発表できていました。では、授業以外の場面や家庭ではどうでしょうか?もしかしたら、家族や仲間内だからこそ「察してくれるだろう」と甘えてしまったり、「こんなことを言ったらどう思われるだろう」と不安に思ったりして、きちんと自己表現できていない場面もあるかもしれませんね。ただ、中学校卒業後は、佐伯地域を出て自分をよく知らない多くの人と関わっていくことになります。特に3年生は進路選択、受験(面接)を控え、この自己表現力を磨きたいところです。そこで、表現力を高めるためのワンポイントレッスン!
〇自分の気持ち・考えを理解する。
自分の中に表現したいもの(すべきもの)がないと伝えられません。自分はどう思うのか、なぜそう思うのか、自分に問いかける癖をつけましょう。
〇読書をする(活字を読む)。
様々なジャンルの本や新聞を読むことで、語彙や良い表現がインプットされ、表現の幅が広がります。言いたいことにぴったりくる言葉を知っていることは大事。
〇日記(デイリーログでOK)を毎日書く。
実際に表現する(アウトプットする)機会を増やすことで、慣れ、自分の表現を見つめ直すことができます。書くことで自分の考えも整理されます。
〇いろんな人と関わる。
様々な人の価値観や表現に触れ、視野を広げ、相手に合わせた表現を考えられるようになります。地域とつながる活動の目的の一つでもあります。
表現力は一朝一夕に身につくものではありませんが、これらを意識、実践することで、ワンランク上の自分、よりよい生き方につながるのではないでしょうか。