「プラスワン」
猛暑が続いたこの夏。今も残暑が厳しいですが、それでも吹く風は幾分涼しくなり、夜耳を澄ますと秋の虫の声が聞こえるようになりました。季節は確実に秋へと移り変わっています。みなさんの心はどうですか?少しずつ新学期モードに切り替わってきているでしょうか。
1学期の終業式では、「目標がその日その日を支配する」という言葉を紹介し、目標を明確にもつことの意味と夏休みだからできることにチャレンジしてほしいことを伝えました。何かしら「これをやった!」「できた!」と言える夏休みになっていたら嬉しいです。そうはいっても人間は弱い生き物。目標どおりに過ごせなかった人もいるかもしれません。そんな人は、2学期のスタートという一つの節目を利用して、自分にふさわしい新たな目標を立ててみましょう。
かく言う私も、未だ納得の夏とはなっていません。「旅をする」「人と会う」「本を読む」この3つが人生を豊かにする!という誰かの言葉を思い出し、一通り制覇しようと企てていたのですが、諸事情で旅はできずじまいです…「人と会う」「本を読む」はいくらか達成できたのですが、その中で、『リセットの習慣』(順天堂大学医学部教授・小林弘幸 著)という本に出会いました。
私たちは、日々の生活の中で常に「調子がいい」「気持ちが晴れやか」というわけではありません。心配ごとやストレスの種はたくさんあるし、体調を崩す時もあります。小林先生によると「人の体は『流れに乗る』のは得意だが『流れを変える』のは苦手」で、何かイヤな出来事があると簡単に「悪い流れ」に引きずり込まれてしまうのだとか。そこで大事なのが「リセット」の意識。紹介されている99の行動術の中でオススメしたいのが「新しい朝の習慣をひとつプラスする」ことです。朝起きて5分間ストレッチする、散歩をする、1分で1日の流れをイメージする、音楽を聴きながら深呼吸する…等、簡単なことでも、何となく流れで1日を始めるのではなく、意図的にいい流れを生み出すことに意味があるそうです。朝に限らず、店員さんに「ありがとう」と言う、「お先にどうぞ」と人に譲ってみる、こんな小さな「プラスワン」でも自律神経が整い、気持ちのリセットにつながるとのことでした。
この「プラスワン」の意識は、心身のリセットだけでなく、目標達成への第一歩としても大事なのではないかと感じました。何か目標を掲げたとき、「そのためにまず今日から○○を始める」と、今できること(プラスワン)をセットで考え実行することで、確実に目標達成へと向かうのではないでしょうか。
2学期は、文化祭、チャレンジワーク、生徒会役員改選など、行事を通して成長する機会も多いですが、日々の生活の中で良い習慣を身につけることが、一人一人の成長、充実した学校生活につながっていくはずです。1年間で最も長い2学期、1学期にも増してみなさんの活躍と笑顔があふれる佐伯中になることを期待しています。