変化

 紫陽花(あじさい)の美しい季節となりました。気候も気持ちもジメっとしがちなこの時期ですが、色とりどりの紫陽花は雨に濡れるとその美しさを増し、梅雨ならではの風情を感じさせてくれます。その花の色には、土の酸性度が大きく影響すると言われています。紫陽花に含まれるアントシアニンという色素はアルミニウムと結びつくと青色へと変化する性質があり、アルミニウムが溶けやすい酸性土壌では青色に、溶けにくいアルカリ性土壌ではピンク色になり、根がアルミニウムを吸い上げる量によっても色が微妙に違ってくるそうです。

    同じように人の成長や変化には、その環境や経験が大きく影響するのだと思います。クラスや学校の環境、そこにどのような学びがあるか、学校や教職員の果たす役割の大きさを感じています。

 さて、そんな梅雨入り直後の6月3日、冴希祭(体育会の部)が実施されました。今年は、雨天による度重なる計画変更や新種目への対応、「地域とつながる体育会」の模索と、大変な部分もたくさんありました。しかし、その中で、3年生は最上級生としての自覚をもち、行事の成功を目指してチームの練習や後輩の指導に力を注ぎ、2年生は3年生をサポートしながら1年生のことも気にかけ、1年生は初めてながら自分たちのできることを精一杯やっている、そんな一生懸命な姿が随所に見られました。また、それぞれの立場での頑張りや苦労、気付きや感謝を共有することができた翌々日の「振り返りの会」も有意義なものでした。そして、小学生や保護者の方の種目への参加、競技役員へのボランティア参加等、「地域とつながる体育会」を一歩進めることができたのも嬉しいことでした。

 大変だった分、変化や困難への対応、そこを乗り越える力を身につける機会を得て、アフターコロナに向け冴希祭の新たな1ページを切り拓いた年だったとも言えるのではないでしょうか。

 社会が急速に変化する中、学校も今変革期にあります。時代や生徒の現状にあわせて変えるべきこと、変えてはいけないことをしっかり見極めながら、学校の在り方を考えていきたいと思います。

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