6月30日 経験と思考

 3年生の教室にこんな言葉がありました。担任の筒井先生からの生徒へのメッセージです。

 「本気」になる 「一生懸命」になる 経験が大切

  私も「本気で何かに取り組むことの大切さ」について始業式の式辞で話をしました。本気で取り組んだのであれば、たとえ結果は失敗に終わっても、その失敗から次につながる何かをつかみ取ることができる。どんなことでもいいので、本気で取り組める何かを作って精一杯頑張ってもらいたいと。

 先日6月4日に実施した冴希祭(体育会の部)に向けての取組は、まさに「本気」「一生懸命」が詰まったものでした。特に3年生にとっては中学校生活最後の体育会であり、また、初めて地域の方に見ていただける体育会でもあったので、企画段階から意見を出し合い目指す体育会を明確にして、それを実現させるために一人ひとりが自覚をもって取り組んでいました。その3年生の姿を見て、2年生は中堅学年としての役割を意識して1年生を助け3年生を支えていました。初めての中学校の体育会で右も左も分からない1年生は、先輩達に応えようと必死で練習に付いていっていました。
 初めからうまくいくことばかりでははなかったと思いますが、うまくいかなくても諦めず繰り返し続けることで、できることが増え、本番当日の演技や競技はどれも力のこもった見応えのあるものでした。
 また、冴希祭(体育会の部)の翌日には、全員でふり返りの会をもちましたが、当日の素晴らしさにひけをとらないほどの素晴らしい会でした。自分の言葉で自分の感じたことをしっかりと伝え、互いに聴き合う姿にも感心しました。それぞれの発表は、自他の努力を認めたり、優しさに気付いたり、過程の大切さを実感したりと、たくさんの気付きの詰まった内容でした。
 これは、「本気」で取り組んだからこその成果です。また、本気の経験を通して思考することで、それまでとは違った気付きも多くあったのだと思います。今年度は、様々な取組が通常に近くなっていっているので、これからも多くの経験を積むことができる機会があります。その機会に一人一人が本気で向き合い、その経験を振り返り思考することで、たくさんの輝きの種を見つけることができるはずです。