5月26日 5,900

 新年度が始まり、1か月半が過ぎました。生徒達のやる気も、年度当初より少しずつ落ち着いてきたように感じます。「ここからが真のやる気を見せる時だな」とそれぞれの生徒の様子を見ています。
 この1か月半の間には、各学年の校外行事がありました。1年生の閑谷への宿泊研修に始まり、北九州への修学旅行、2年生の広島研修と、コロナウイルスの流行が収まりきらない中でしたが、実施することができ、多くの学びを得ることができました。様々な不安もあったと思いますが、理解を示して送り出してくださった保護者の皆様には感謝しかありません。また、感染対策で増額された費用を町が負担してくださったことで、安心感をもって実施することができました。生徒達が地域から大切にされていることを改めて実感しています。

 先日、町教委主催の学力向上担当者会に出席した教員から、「読解力」について伝達講習を受けました。この講習で示されたのがタイトルの数字です。一体何の数でしょうか。これは、令和4年度岡山県高校入学者選抜の国語の問題文の文字数だそうです。資料には、大学入試共通テストの文字数も参考に示されていましたが、国語だけが突出しているわけではなく、社会や理科、数学でもかなりまとまった文字数を読みこなさなければならないことを改めて確認しました。
 私は国語科教員として過ごしてきましたが、自分のルーツを振り返ると、自宅には多くの本がありました。決して裕福な家庭ではありませんでしたが、本棚にはたくさんの本が置かれ、好きなときに好きなだけ本に触れることができる環境でした。小中学生の時代に特に国語が好きでしっかり勉強したわけではありませんでしたが、結局、このような道を選ぶことになりました。幼い頃から「漫画・雑誌は買わない」と親から言われ、持っている友達を羨ましく感じていましたが、その分、たくさんの本に触れることができたのだろうと、今は感謝しています。
 今は、私が子供だった昔よりも様々なメディアに溢れ、子どもたちは文字を読まなくても過ごせるような時代です。しかし、先の見えない社会を生き抜くためには思考力が必要であり、その思考力を支えるのが「語彙力」「読解力」だと感じます。いかに文字に触れる環境をつくっていくか、学校だけでは難しいとも感じています。メディアコントロールも含め、ご家庭でも一度話題にしていただけたらと思います。